アート&クラフトDUO 東京練馬店で人気のスクラップブッキング講師・大内美和さんから、出身地の八丈島で開催した講座のレポートをいただきました。初めての方もすぐに親しむことのできるスクラップブッキングの講座の様子が分かります。
(※このレポートは、スクラップブッキング協会会報誌 2008年夏号に掲載されました。)
スクラップブッキング講座のご依頼――八丈島より
東京から南へ290キロ。羽田から飛行機で約40分。「スクラップブッキングをやってみたい」という、八丈島連合婦人会 樫立婦人会さんの嬉しいお誘いで八丈島へ帰島しました。夏前のこの季節は、雨が降った後の夕日がとても嬉しく、海岸沿いにたくさんの人が出てきます。前日入りしたこの日も夕日が綺麗でした。
八丈島連合婦人会 樫立婦人会のみなさんとスクラップブッキング
2008年6月14日夜。約束の公民館には一番乗りでした。ワクワクしながら準備をしていると、近所の家々からたくさんの女性が「こんばんは」「今日はほとうろわの(暑いね)」と声を掛け合いながら出てきました。
「お。先生が一番乗りだじゃ」と自然に荷物運びなどを手伝って頂き、知っている皆さんの顔になぜか安心しました。
島の女性はいつも元気。そして八丈島を引っ張って行ってるのはいつもこの年代だと子供の頃から感じていました。八丈島のスクラップブッキングはまだまだこれから!という感じですが、「婦人会の皆さんがスクラップブッキングをやりたい、新しい事をやってみたい」というのを伺った時、納得しました。そして、とても嬉しかったのです。
八丈島独特の多湿の畳の部屋は、窓を開けると気持ちいい風が吹きこんできます。知っている12人の皆さんにもあらためて自己紹介。
そして講習は始まりました。道具の説明やスクラップブッキングの楽しみ方などを説明しながら、テーブルの上を見ると「八丈島ならでは」の風景と一緒に撮った写真やたくさんの家族写真が並んでいました。
家族の写真をスクラップ
作り方の説明は私がしているのに、仕切ったり段取りをするのはすべて生徒さん。質問、返答等の会話はすべて八丈島の方言が飛び交うという、今まで味わった事のない「不思議で居心地の良い講習」となりました。
皆さんの写真の説明もユニークで愛情たっぷりです。「これ、わげえの(私の家の)初孫~♪」すると隣の席の方が、「これ、わげえの初嫁~♪」「まん頃(今頃)くしゃみしたあるんじゃない?」
あはははとひとしきり笑った後、作品づくりに集中。そしてまた笑う。そのギャップが面白くてまた笑う、という和やかな講習でした。
「でいじけ庭どうにゃ(きれいな庭だね)」「はあ~。おめえんとこの孫は、こごんぼうくなった?(え~?お孫さんはもうこんなに大きくなったの?)」
そんな会話もすごく嬉しく、私が一番楽しんだかもしれません。また、手際の良さも、安心して楽しんだ理由のひとつです。色選びに時間を取ってあとはさっさと作る方。最初からドンドン作業を進める方。並べてじっくり考えて最後にバシッと貼る方。皆さん一番です!と言いたいくらい素敵なスクラップブッキング作品が出来ました。
ほんの少しずつでもいい。八丈島の方に恩返しをしたいというのが、スクラップブッキングを始めて思う事です。恩返しというよりも、「普段から写真をたくさん撮る島の方がもう一度写真を見つめて、みんなで楽しくクロップするなんて素敵だなあ」「八丈島の方に面白いクラフトがあるって知らせたいなあ」と、ずっと思っていました。
故郷でのスクラップブッキング講座を終えて
あっという間の2時間でした。片付けまで慣れた感じで仕切って下さり、終了後、外に出ると真っ暗。また明日会ういつもの友達のように解散しました。
「楽しかったあ」「またやりたきゃの(またやりたいよね)」と話している皆さんに、また感謝です。こちらこそ楽しかったです。パワーを頂きました。
帰り際に「はい」と手に乗せてくれたのは「八丈島でとれたトマト」。その辺の水道で洗って、果物のように甘いトマトを食べながらふと空を見ると、辺りは暗闇で星がとても綺麗でした。
明日から頑張ろう、東京に戻ったらまた「わい(私)」なりに頑張ろうと思いました。